■将棋盤・囲碁盤・連珠盤の取扱い
木製の将棋盤・囲碁盤・連珠盤は盤になっても常に呼吸していて生きています。木製品の将棋盤と囲碁盤・連珠盤は原則として洗剤で洗ったり水拭きすることは厳禁です。水拭きをしますとシミ・カビの誘発や木材を弱くして木肌の傷みや過度な変色をおこすことがあります。基本的なお手入れは柔らかい奇麗な布地(メリヤスの肌着など)での空拭きになります(タオルや目の粗い生地・堅い生地で盤を空拭きしますと筋目が付くことがありますのでご注意ください)。また、空拭きの後に、椿油で盤を磨きますと盤に心持ち艶感が増し、盤の保護にもつながります。
【将棋盤・囲碁盤・連珠盤の空拭き】
盤の空拭きは、基本的に盤を清潔に保つことと盤表面の余分な湿気を取るために行います。木製の将棋盤・囲碁盤・連珠盤は、保管している時に湿気や雑菌が盤表面に付いて長期間放置すると、将棋盤・囲碁盤・連珠盤のカビ・シミの誘発につながることも稀にあります。時折将棋盤・囲碁盤・連珠盤を空拭きして盤表面に付着している湿気や雑菌を拭き取り、清潔に保つことが、カビ・シミの誘発の防止に役立ちます。
盤の空拭きは柔らかい奇麗な布地(メリヤスの肌着など)で行います。天面を空拭きする時は基本は縦に拭いて下さい。天面は強めに拭いてかまいませんが、横面と裏面は表面に付いているホコリや湿気を取るくらいに軽く拭くようにしてください(盤の保護用に付けている蝋が取れすぎてワレを誘発することもありますので)。特に横木口面(対局者のおなかに面する面)は一番呼吸している面なのでご注意ください。
【椿油での盤のお手入れ】
※椿油は木製の将棋盤・碁盤・連珠盤と木製将棋駒(シャム黄楊・薩摩産本黄楊・御蔵島産本黄楊に限る)と那智黒碁石の磨き・汚れ取り・艶出しにお使い頂けます。
盤製造時に盤の保護として付けている蝋(ろう)は、盤の横面と裏面の蝋は簡単には取れませんので、盤の椿油でのお手入れは基本的に天面だけでけっこうです。
(1)まず盤を乾拭きして盤の表面に付着した湿気や埃・大まかや汚れを取ります。
(2)そのあとに、椿油を清潔な布地(肌着等のメリヤス生地)に少量しみ込ませて磨いて下さい。椿油の過度な付けすぎは対局中のベタつき・日焼け・蛍光灯焼けを生じさせる可能性がありますので、椿油で磨く時は少量にして、余分な油は適度に拭き取ってください。
椿油で盤を磨くことにより多少とも椿油が盤に浸透し木肌の保護とヒビの防止にも有益で、艶感が増し、見た目に多少とも木感が良くなります。
秋・冬・春先の空気が乾燥しやすい季節は盤の木肌が多少とも傷みやすくなります。一年を通しては、特にこの乾燥が始まる秋〜冬の椿油でのお手入れがお薦めです。毎年、乾燥期前の椿油でのお手入れで木肌をケアし、より清涼感ある対局を一年を通してお楽しみ頂けるかと思います。
→将碁屋椿油
●盤に汚れが付いた時は、木製の盤に元来水は厳禁ですので水拭きはせず、極々少量の椿油を布地にしみ込ませて磨いて下さい(空拭きよりも多少とも汚れは取りやすいです)。磨いた後は余分な油をふき取ってください。
【保管場所の注意点】
・直射日光に当てない(乾燥によるヒビ・ワレ防止の為)
・エアコンの風が当たる場所やストーブのそばに置かない(乾燥によるヒビ・ワレの防止の為)
・倉庫や押し入れなどに長期間保存しない(過度な湿気を帯びることによるシミ・カビの誘発防止の為)
木製の将棋盤や囲碁盤・連珠盤は、直射日光にあてたり、エアコンの風に直接あてたり、ストーブのそばに置いたりして急激な熱を与えたりすると、稀にワレを誘発することがあります。将棋盤・囲碁盤・連珠盤の各面には通常は盤保護用の蝋(ロウ)を付けていますが、これは将棋盤や囲碁盤の急激な乾燥によるワレ・ヒビの防止のためでもあります。対局場所や保管場所にはご注意ください。
木製の将棋盤・囲碁盤・連珠盤は、対局前と対局後に簡単にでも空拭きしてあげることで、将棋対局と囲碁対局を末永くお楽しみ頂くためにはとても効果があります。ささいなことではございますが、対局前に手を洗って清い気持ちで対局することも、将棋盤・囲碁盤・連珠盤への気遣いになり、より集中して、より楽しい対局につながるかと思います。
お手持ちの将棋盤や囲碁盤・連珠盤の日頃の保管場所のご注意と、愛情をこめてのお手入れにより、より清涼感ある将棋・囲碁・連珠対局と将棋・囲碁・連珠ライフをご家族皆様で末永くお楽しみ頂ければ幸いと存じます。
■将棋囲碁専門店 将碁屋 店長 西本 誠
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